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レクリエイターズ ネイキッド

4 april

4月23日

26/松原の仕事場、マンションの一室。机が一つ、本棚、絨毯に簡単なクッションの応接セット。

さっきと打って変わってぶんむくれの松原。

メテオラ、同じく機嫌の悪いセレジア、居住まいの悪そうな颯太。
松原「説明は解った」
颯太「信じてくれるんですか」
松原「信じる訳ねーだろ。でもこれは」セレジアを指し。
松原「喋り方とか仕草、俺が考えてた……思ってた通りのキャラだ。もし本物じゃないなら、こいつに頭の中を全部読まれてるとしか思えない」
セレジア「そう言う言い方やめてくれないかしら。こいつ呼ばわりされる筋合いとか、ないんですけど」
松原「あのな、お前、仮にも生みの親に対してだな、そう言う口の聞き方を──」
セレジア「は? 親?」

眉根に皺を寄せて立ち上がる。
セレジア「ただでさえ私の世界が、あなたの妄想で出来てるかも知れないって事にショック受けてんのに、あまつさえ親!?  私、あなたに生んでくれとは頼んでませんし」

颯太とメテオラ、押さえに入る。
颯太「おちついて、落ち着いて下さいセレジアさん!」
メテオラ「争う為に出向いた訳じゃない。セレジア、押さえて」

いきり立つセレジアを押さえて。
メテオラ「起きた事は今話した通り。現状、世界の衝突による『被造物』──と私は呼んでいるけれど──その『被造物』の流出が起きつつあり、少なくとも彼女は貴方が創作した人物である可能性が高い。感情面を抜きにして、今はそう仮定して話を進めたい」

「で」タバコに火を着ける松原。
松原「こいつがおれの小説に出てくるセレジア・ユピティリアだってのは、とりあえず解った。頭おかしくなりそうだけど、それはまあ、いい。だけど、あんた誰?」
松原はメテオラを指差す。
松原「どっかで見た覚えがあるんだ……なんだっけ、なんだったかな……」
颯太「松原先生、『追憶のアヴァルケン』って知ってますか。ゲームなんですけど」
松原「知ってるよ、俺クリアした……ん?」

そこで、漸くメテオラの正体に気づく。
松原「あ? えー? メテオラ? メテオラだ!! あれだ、ラストの辺りで出て来た魔術師!」
メテオラ「話が早くて助かる。マツバラどの」

松原「驚いたな」頭を掻きつつ。
松原「メテオラさん、あのさ、俺とこいつ会わせたってのは、なんか考えあるんでしょ」

メテオラ、頷く。
メテオラ「一つ、実験をして欲しい。『造物主』である貴方は、どこまで『被造物』に影

響を及ぼせるのか。上書きによって本当に世界を変えられるのか」

颯太を見て。
メテオラ「衝突によって因果律が歪み、空想具現の力が増大しているのであれば、『彼女』が言う通り世界を改変出来る。危険は承知だけれど、元の世界への帰還も視野に入る。まずはそれを試したい」


27/ワープロソフトを立ち上げる。覗く四人。
セレジア「ゾッとしないわね。『造物主』さん、下らない設定付けたら後で怖いわよ」
松原「じゃーまず、その性格直すとこから改変すっかな」
セレジア「なんだと」

セレジアが何か言いかけたのを制して。
松原「で? 彼女の設定に、何を付けりゃいい」

メテオラ、少し考えて。
メテオラ「炎の詠唱能力など如何でしょうか。解り易い能力を付加してみたい」
松原「解った。本文に滑り込ませる形でいいのか?」

カタカタとキーを打つ。


『彼女はフレイアの詠唱呪文を唱えた。それは炎を自在に操る詠唱呪文だった』


颯太「どうですか、セレジアさん」
セレジア「どうって……特になにも」
メテオラ「『造物主』。呪文を適当にでっち上げて欲しい」

松原、キーを叩く。


『彼女は朗々と詠唱を唱える。<あじゃらかもくれんきゅうらいす>』


セレジア「なにその呪文」
颯太「とりあえず唱えてみたら」
セレジア「んあー……あじゃらかもくれん、きゅうらいす」

何も起きない。
セレジア「あじゃらかもくれん、きゅうらいす!! きゅうらいすってば!! もう!」
松原「なんも、起きねえじゃん」

メテオラ、険しい顔で考え込み。
メテオラ「……。幾つかの要因が考えられるけれど……これは明らかに条件が揃っていない。単純に改変しようとしても、何一つ変える事が出来ない」
颯太「アニメじゃないと、駄目なのかなあ」
松原「アニメを新しく作り直してくれったって、そんなの無理だぞ」
セレジア「一応『造物主』なんでしょ、あなた。どうでもいいから何とかしなさいよ」
メテオラ「まだ情報量が足りないのかも」

自著を手でぱらぱらと捲りながら考え込む松原。
松原「うーん……絵でも、描いて貰うか」

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