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レクリエイターズ ネイキッド

4 april

4月28日

37/池袋、サンシャイン60。

日が変わる。メテオラはまりねとゲーム会社に出かけた。その間、颯太と松原、セレジアは今後の事について話しあう為、社会見学も含めてサンシャインにやって来る。休日の為に混み合っているサンシャインシティ。

セレジア、アイスを舐めながら。
セレジア「わたし、スカイツリーが良かったな」
松原「混んでたんだよ、しゃーねーだろ」

サンシャイン吹き抜けで開催されている、魔法少女の着ぐるみショーを横目にエレベーターへ。
きぐるみアクター「マジカルスレイヤー・まみか参上! さあ、アクマリンを倒すわよ!」

展望台に上がる三人。
セレジアは都内を一望出来る景観に目を見張る。
セレジア「うん、いい見晴らし。天気が良くて、よかった」

周りには観光客、親子連れ。
松原「水篠くんだっけ、悪いな」

颯太、はにかんで。
颯太「あの、気にしないで下さい。メテオラさんに言われた事、引っかかってて……だから、みんなが良ければもう少し付き合ってみようかな、って」
松葉「何か縁があるって、あれか」
颯太「そうです。でないと、なんでセレジアさんが僕の所に現れたのか解らない」

松原、少し考え込んで。
松原「水篠君はさ、『フォーゲルシュバリエ』は見てた?」
颯太「見てました、ファンです」
松原「面と向かって言われるのは恥ずかしいな、やっぱ。まあ、それはいいや、ひょっとしたら……想いの強さ、とかが関係してるんじゃねーかと思ってさ」
颯太「想いの?」

また考え込む松原。
松原「うーん……なんで作品の中だけで、あいつだけがこっちの世界へ飛ばされたのか。少なくても、あいつの意思じゃなかったのは確かだろ」

颯太も考え込む。

セレジアが窓から離れて二人の元へ戻ってくる。
セレジア「なに、難しい顔してるの。いい眺めよー」
松原「別にこんなもの、珍しくもねえよ。なあ水篠くん」

ぶすっとした態度の松原を、しれっと受け流すセレジア。
セレジア「何時だって目の前にあるものを楽しめなきゃ、心が涸れるわ。ねー、こんなおっさんの言う事聞いてちゃ駄目よ、颯太くん」

苦笑いする颯太。
颯太「僕、ちょっと飲み物買ってきます」


38/展望台。

セレジア、松原の隣に座る。
セレジア「……ここが、『造物主』の世界なのね」

セレジアの台詞に小首を傾げる松原。
松原「?」
セレジア「この大きな街の、国の、この世界の。どれだけの物語が作られて、どれだけの創造が成されたんだろうって。そう思うと目眩がしてきそう」

松原、セレジアを見やる。再び窓ガラスの外に広がるランドスケープ、空を見て。
松原「……まあな。皆、お話は好きなんだよ。お前は嫌いか?」
セレジア「嫌いじゃないわよ。私の世界には、殆どそんなものはなかったけど」
松原「俺が設定してねーからな」

セレジア、少し怒った顔をして。「ほんとよ」

39/松原、ぼそりと呟く様に言う。
松原「テンポとか崩れない様に考えて……入れてみるか、そういうの」
セレジア「え?」
松原「次の巻から入れようかって、言ったんだ」
セレジア「そう、皆喜ぶわ」
松原「お前」
セレジア「なに?」
松原「帰りたいか? あの世界に」
セレジア「ええ」
松原「そうか」

ややあって。
松原「悪いな」
セレジア「何が」
松原「大変だろ、あんな世界じゃ」

途端に顔が曇るセレジア。
セレジア「今更そんな無責任な事、言うの」

松原も口を濁す。
松原「無責任な事なんて言ったつもりは……ただ、お前の世界は、しんどい世界だろうからさ」

セレジア、口調に苛立ちと怒りを滲ませながら。
セレジア「自分で作っておいて、そんな言い方ないと思っただけよ。だいたい私達の世界は娯楽の為に作られました、なんて、戻っても言えないわ」

そのセレジアの口調に、食って掛かる様に言い返す松原。
松原「確かに誰かの娯楽かもしれないけどな。俺だって、遊びで書いてるつもりはねえよ」
セレジア「あんたの生活の為でしょ」
松原「それだけじゃ書けねえ」
セレジア「じゃあ何よ」

いつになく真剣な顔をする松原。
松原「お前らを書く事が、俺が生きてたって証なんだ」

見つめ合う二人。黙り込むセレジア。

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