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レクリエイターズ ネイキッド

5 may

5月5日

57/松原が眉をひそめて。
松原「おいおいおい、ちょっと待て。なんだ世界が滅びるって。初耳だぞ」

セレジア、固い表情で。
セレジア「……薄々は感じてたけど。やっぱり、そう言う事だったのね」

メテオラ、セレジアに頷く。
メテオラ「仮説であったのと、もし私が傍観を決め込む事になった場合、あなたを動揺させたくなかった。──破滅を知らないなら、知らないままに破滅を迎えた方が心安らかでいられる」

セレジア、戦士の笑みを浮かべてメテオラを見る。
セレジア「随分安く見られたものね」
メテオラ「その非難は正当。あなたの尊厳を傷付ける行為だった」
セレジア「いいわ、許す。今、こうやって話してくれてるんだから」

メテオラ、正面から松原を見据えて。
メテオラ「この世界は法則性を堅持するため、出来る限る限り辻褄を合わせようとする作用がある。だけれど、この世界に矛盾極まる数多の『物語世界』を融合させ、無事で済ませられるほどの弾力があると、私は思っていない。ここまでは話したと思うけれど、その先には続きがある」
松原「その先……衝突が続いたらって事か?」
メテオラ「どこかで弾性係数は限界を迎え、法則を司る調和機構は決定的な破綻をきたす。そうなった場合、他の世界を生み出す基幹となったこの世界もろとも、──私はそれを仮に『大崩潰』と呼んでいるが──、一度全てを『リセット』する瞬間を迎えるのではないか、そう私は考えている。そして、今現在」

颯太に向き合い。
メテオラ「ソウタ殿。貴方は『彼女はわざと波紋を引き起こしている』と気付いていた。『彼女』の行動に理屈を求めるとしたら、最適解はこれしかない」
松原「ちょっと待ってくれよ。そんな事したらその『彼女』とやらも全部一緒に消えるんだろう。無理心中じゃねーかそれ」
颯太「それに、彼女の物語だって無事じゃ済まないですよ」

まりね、暫く黙って聞いていたが、少し考えながら。
まりね「んー……わたしにはよく解らないんですけど……」
まりね「その『彼女』って人が、そんな事どうでも良かったとしたら、どうでしょうか」
松原「どういう事?」
まりね「うーん……要は……こっちの世界にも、その人の世界にも、そして自分自身にも執着がないっていうか……要するに、いつ死んじゃっても構わないと、本気で思ってるタイプというか」
松原「無理心中上等って事か」
颯太「どこかの世界から、とんでもない頭のおかしい破壊者が来たって事ですか?」
メテオラ「……善くも悪くも、創作のキャラクターというのは解り易く『誇張化』されているもの。私やセレジアも、その影響は否めない」
松原「そりゃまあ、そのまま書いてもつまんねーしな」
セレジア「つまらなくってすみませんでしたね」
メテオラ「だけど、破綻した思考という『設定』を持つ人物であれば、私にした様な回りくどい提案をするとも思えない」
メテオラ「彼女の物腰や態度、それと口調には奇妙な誠実さがあった。破壊の意思ははっきりしているが、動機がまるで掴めない。とはいえ、動機抜きで破壊を目論む様な破滅主義者にも見えない」

一同を見遣るメテオラ。
颯太「でも……」 「メテオラさんは、結局、どうしようと決めたんですか」
松原「そうだ。そこまで突き詰めて、お前、黙って見過ごすのか?」

メテオラに一同の目が集まる。


58/メテオラ、少し溜めて。


メテオラ「……私は、自分の気持ちに結論をつける為、ある事を試した」

不審そうに見る松原。
メテオラ「私は、昨日一晩かけて『追憶のアヴァルケン』をプレイした。クリアまで」

一同驚く。
松原「マジで?」
颯太「一晩で解いたんですか?」
セレジア「私には無理! 自分が出てる作品を見るなんて、絶対御免よ!」

メテオラ、苦笑しながら。
メテオラ「自分の与り知らぬ所で戯画化された私を見るのは、どうにも面映いものだったけれど」
メテオラ「既に鬼籍に入ってしまった彼の思考を追いかけるのであれば……彼の創ったものを、彼が遊んで欲しかった様に追体験する事が恐らく、最も近道であると思ったから。だから、私は傍観者として、もう一度自分の世界へ戻った」

回想。ネカフェのメテオラ。

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