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レクリエイターズ ネイキッド

5 may

5月12日

80/会議が終わる。ぞろぞろと出て行く官僚や制服達。

三々五々で休憩やトイレに立つメテオラ一行。まだ会議室の椅子に座っているメテオラに、菊地原がコーヒーを差し出す。
メテオラ「ありがとう」

菊地原、ふと思いついた様に。「そう、一つだけ聞かせて下さい。貴女達は、最終的にどうやって事態を収束させるつもりでいるんですか?」

メテオラ、コーヒーに口を付けながら。
メテオラ「この世界の創造力と意志が、私達の世界を形作った。であれば、最後の解決はやはり創造力と意志」
メテオラ「軍服の彼女は言っていた、この世界は『神代の地』であると。私達が理を越えた力を振り翳して彼女と相対したとしても、神の力はそれに勝る」
菊地原「クリエイターの力が必要だ、と言う事ですね」
メテオラ「どのような対抗策を取るにせよ、全てを始まりが想像力であった様に、全ての決着もまた、想像力に依るのだと私は思う。最後は私達ではなく、きっと、あなた方の想像力が鍵を握る」

菊地原、笑って。
菊地原「なるほど。悪くないですね。単なる観念に過ぎないとしても、そういう考え方は嫌いじゃありません」
メテオラ「貴女と会ってから、ようやく笑った顔を見た」
菊地原「そうですか? でも、貴女の笑みも素敵ですよ」

メテオラ、少し照れたように。
メテオラ「私は、余り笑うのに馴れていない」
菊地原「そこはお互い様でしょう」

セレジア、自分もコーヒーを持って会議室へと戻って来る。
セレジア「なに? キクチハラさん、もう仲良し?」

立ち上がって頭を下げる菊地原。
菊地原「共闘するという事ですから。改めて、宜しくお願いします。日本政府を代表して」
セレジア「ええ宜しく。そういや鹿屋が、ご飯食わせろって大騒ぎしてたわよ」

菊地原はファイルをとんとんと整理して小脇に抱え。
菊地原「手配します」


81/菊地原、部屋を出て行こうとして振り返り。


菊地原「──あなたの世界は、最初から虚構でした。私達にとっては娯楽で、只のおはなし。その世界を知って尚、全てを守る価値があると思いますか」

メテオラ、少し笑うと。
メテオラ「私が私として確かに生きたという場所が、即ち世界。だから私は、私のいた場所も、この世界も、愛している」

メテオラ、セレジアと目を交わす。
メテオラ「だから私の愛すべき世界の安寧は、守るつもり」

セレジアも、力強く笑う。
セレジア「私達はずっと、世界を救うために戦って来たのよ。なら、こっちの世界だって、救って見せても悪くないわ」
菊地原「あなた達が言うなら信頼出来る。貴女達は何と言っても、そういった『物語』の登場人物なのですから」

首を振るメテオラ。
メテオラ「私達を生んだのは、そちらの世界の者達。もし私達の意志が崇高であるのなら、貴方達の側にこそ崇高さの源がある」

菊地原、肩をすくめて。
菊地原「……もし、こちらの世界の人間に真顔で『世界を救う』と言われたとしても──私には、失笑しか浮かばないでしょうね」
菊地原「あなた達を生み出したこの世界にとっては、随分と寂しい話ですが」

メテオラは真剣な目で菊地原を見つめる。
メテオラ「そんな事はない、キクチハラ」
メテオラ「あなたは今まさに、ここに立っている。それは既に、世界を救う決意の証明ではありませんか」

菊地原、思いもよらないメテオラの返しにはっとする。


82/市ヶ谷から電車に乗る。地下鉄。

解放された全員。送るという菊地原の申し出を断り、電車に乗って戻る。
松原「なんか大事になっちまったなあ」
颯太「なんだか、現実感ないです」
中乃鐘「僕の家どうするんですか」
松原「あれは無理だろ」

ブルーシートを掛けられ、警察の非常線が張られた中乃鐘の自宅。
松原「しばらくスタジオに泊まれよ」
中乃鐘「ええー。床にダンボール敷いて寝るの、もう嫌なんですよ、デスマ中でもないのに!」


83/セレジア「これから、どうしよう」


メテオラ「行動の指針は決まった。事態は好転している。私達は他の『被造物』に勝手をさせない様に立ち回りつつ、軍服の彼女を追う」
まりね「お二人は、私の家から移りますか」
メテオラ「そう……その事も考えないと」

まりね、もじもじしながら。
まりね「あのう、お二人が宜しければ、このまま……家にいてもらって、全然構わないです。わたし、合宿みたいで楽しいし」

その言葉を受けてまりねに微笑むセレジア。
セレジア「そう? まりねがいいなら、私は喜んで」
メテオラ「エブリディ女子会、という趣ですね。素敵だ」
まりね「じゃ、ビールでも買って帰りましょうか!」

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