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レクリエイターズ ネイキッド

5 may

5月28日

115/電車。

京浜東北線に乗っている颯太。

重い表情でアルタイルの記事をスマホで眺めている。

駅に着く電車。ドアが空く。ホームに歩み出てふと顔を上げると、パーカーで顔を隠した少女が立っている。
少女「ねえ」

颯太がよく見ると、目の前に立つ少女はマジカルスレイヤー・まみかだ。
まみか「あなた、サンシャインの時に、いた人だよね」

驚いて逃げようとする颯太の袖を掴んで。
まみか「待って」


116/喫茶店。

差し向かいで座る颯太とまみか。コーヒーが運ばれて来る。

気まずい雰囲気。沈黙。

本編での豊かな表情はすっかり影を潜め、ふせ目がちのまみか。

沈黙。
颯太「あの……」
まみか「私のお話は、知ってる?」
颯太「あ……ええ」
まみか「そっか。いいお話?」

颯太、少し口ごもりながら。「子供向けだなと思うけど、いい物語だと思います」

静かにアイスコーヒーをかき混ぜるまみか。
まみか「……良かった」
まみか「サンシャインで会ったとき、私は、あなたが知ってる『マジカルスレイヤー・まみか』だったと思う。でも、今でもそうなのかは……正直、わからない」

かき混ぜながら。
まみか「でもね、変わらないこともある」
まみか「わたしは、間違いたくないの。私の物語の人達のために。『マジカルスレイヤー・まみか』でいるために」

一人言の様に呟く。
まみか「わたし、ひょっとしたら、すごく馬鹿な事をしてるかも知れない。こんな言い方はしたくないけれど、敵の側に付いてる人に、大事な話を聞こうとしてる。でも」
まみか「私は……私の世界では、信じる事が力をくれた。でも、この場所では違うのかも知れない。信じる事は愚かな事なのかも知れない。けれど」

目を見るまみか。
まみか「信じる事で解決出来るものがあるって。そうすることは、この世界でも決して、馬鹿みたいな事じゃないんだって。私は、そう信じてみたい」
まみか「もし、あなたがわたしの物語を好きでいてくれているなら──私の世界の為に、私の世界の人達の為に、本当の事を聞かせて欲しい。お願い」

颯太の目を覗き込むまみかが颯太の手を握る。はっとする颯太。

その手は震えつつも、優しい力が籠っている。

颯太、観念した様に。
颯太「わかった……嘘は、つかない」

少し逡巡して、覚悟を決めた様にまみかが質問をし始める。
まみか「あなたは……『軍服の姫君』を知ってるの? わたしと同じ様に」

唾を飲み込む颯太。逡巡。
颯太「……知って、ます」
まみか「『万理の探求者』って呼ばれてる人。あの子が言ってたの」
颯太「メテオラさん、ですね」
まみか「そう、そのメテオラさん。『軍服の姫君』は、世界を変えるために私たちを集めてるんじゃない、って言ってた。そして、あの子は……なにか、とても良くない事を考えてるって」

まみか、眼を逸らさずにまっすぐ颯太を見つめる。真剣な眼差、縋(すが)る様な眼差しだ。
まみか「『軍服の姫君』は──そういう事を、する人?」

颯太、机の下で拳を握りながら。
颯太「そうだと思います。彼女は……『アルタイル』は、ぼ……」言いよどんで。
颯太「──この世界の事を、すごく憎んでると思うから」

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