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レクリエイターズ ネイキッド

6 june

6月25日

145/颯太がメテオラの前に立ち、アリステリアから庇う。
メテオラ「ソウタ殿!」

颯太は震えながら、それでもアリステリアから視線を外さない。
颯太「すみません、メテオラさん、僕は、に、逃げられません」

煙の中を睨みつけるアリステリア。颯太はアリステリアとメテオラの間に立つ。

アリステリアに語りかける颯太。
颯太「……あ、アリステリアさん」

震える声で、颯太が語りかける。
颯太「ウンターヴェルトと戦っていた貴女を、ぼ、僕は知っています」

アリステリア、すげ無く言葉を返す。
アリステリア「だろうな。私の世界は、お前達の娯楽で楽しい慰み物だ。楽しかったか? 私の民が蹂躙され殺されて行く姿を見るのは」

冷えた視線を颯太に向けるアリステリア。颯太、怖じけずに尚も語る。
颯太「楽しくなんてない! 僕は、貴女の街の人たちが無惨に死んで行くのを見てると辛かった。マグラッツの村がウンターヴェルトの軍勢に襲われた時だって、貴女が間に合って欲しいって、思ってた」

アリステリア、冷たく言い放つ。
アリステリア「あくまでも世界の外側から、な。所詮はただのお話だ。お前の様な、この世界の者にとっては」

颯太、怒鳴る。
颯太「お話なんて言うなら、僕の目の前で起きなかった総てが、僕に取っては只のお話だ!! 現実だの物語だの、そんな事関係ない!!


颯太「貴女の戦いは、凄く多くの人が知ってる、見て応援してる! アリステリアさん、どうしてか解りますか!」

震える颯太だが、目は怯んでいない。吠える様にアリステリアに語りかける。
颯太「あなたが大事にしているものの為に、血を流して戦ってるあなたの姿が……ここで生きてる、僕らの背中を押してくれるからだ!」
颯太「アリステリアさん、あなたがどう思ってどう闘ってるかを、僕らはちゃんと知ってる!! あなたの戦う姿を僕らが見続けるのは──……あなたの正しさに憧れて、いつかは自分もまた、あなたの様でありたいと、そう思うから!」

アリステリアは黙って聞いている。やがて寂しそうに微笑して。
アリステリア「買い被られたものだ……私はそなたの信じる様な者ではない。私はそうであろうとしたが──残念だ」

静かな、打ちひしがれた様な声で語りはじめるアリステリア。
アリステリア「……私の指からは……いつも大切なものがすり抜けていく。私は騎士たろうとした。私の世界を救うべく、命をかけて奔走して来た筈だった。だが、私の世界は意図して作られた娯楽の為の、嘘だった」
アリステリア「私は、まみかを救おうとした。だが私は結局、まみかを黙って逝かせてしまった。お笑いだ。何が英雄だ。所詮は虚構の世界の案山子に、どうやって世界が救える」
アリステリア「だが……案山子だろうが私は騎士のつもりだ。残骸の様な私にも、騎士の矜持だけは……ならばその矜持に賭けて、莫逆の友の無念は晴らさなければならない。それが今の私に遺された、唯一の使命だ。──だから」
アリステリア「……そこをどけ、少年」
颯太「退きません」
アリステリア「そなたを巻き込むのは、私の本意ではない。どいてくれ」
颯太「どけない!! 僕の知ってるあなたなら、きっとこうする! ……だから、僕も!」

アリステリア、苦しげな表情で。自らの大義と矜持の間で引き裂かれる様な表情。
アリステリア「理由はもはや聞かぬ。だが私にも、譲れぬ理由がある」
颯太「殺したのはメテオラさんじゃない! アリステリアさん、あなたはあの築城院真鍳に騙されてるんだ、まみかちゃんを殺したのは──」

槍を握る手に力がこもり、震える。

悲鳴の様に叫ぶアリステリア。
アリステリア「これ以上の問答は無用ッ!!


身構えて身体をこわばらせる颯太。その颯太の肩に手が置かれる。

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