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レクリエイターズ ネイキッド

7 july

7月1日

151/颯太「うわあああああああああああ!!!!


空を超高速で飛ぶギガスマキナ。ぐるぐるとターンし、メチャクチャな軌道で飛ぶ。

オープンハッチした操縦席の周囲に広がる蒼穹の空。
颯太「助けてええええ!!! 降ろしてええええ!!


あっはっは、と呵々大笑しながらフルスロットルで動力を吹かす鹿屋。
鹿屋「どうだ、颯太!!


颯太「何がだよう!!


鹿屋「気持ちいいだろ!!


颯太「気持ち良くなんか……


空を見る。積乱雲があっという間に彼方へと流れて行く。
鹿屋「どう? この景色見ちゃうとさ。どうにもなんなかった事、グジグジ悩んでたってしょうがないって、そう思えて来ない?」

そういって颯太に笑いかける鹿屋。

颯太、気恥ずかしそうに目を逸らしながら。
颯太「き……君だって、『無限神機モノマギア』じゃ悩んだり落ち込んだり、酷かったじゃないか……第六話じゃ拗ねたり悩んだりして基地を壊滅――


鹿屋、首を振って。
鹿屋「第六話がいつを指してるのか、僕には解んないけどさ。そうだよ、そーだよ、だからだよ!」
鹿屋「反省してもいいけど、今の君みたいに拗ねたり変な後悔なんて全然意味ないって事、僕の『アニメ』見てりゃ、君にだって解るだろ」

黙り込む颯太。
鹿屋「君が知ってる通り、僕は自分がそうだったから。そういうのを見ると余計に腹立つんだ」

更にスロットルを吹かす鹿屋。
颯太「そんな勝手な……うわあああああ!」

鹿屋の操縦シートへしがみつく颯太。
鹿屋「勝手で結構だね。ここに来て、なんだかよく解らない任務とか、責任とか、そういうのを離れて勝手に振る舞って、そんで考える余裕がよーやく出来た」

再び軌道が安定するギガスマキナ。
颯太「鹿屋は……鹿屋は、もし戻れたら、どうするの」

座席シートに押し込んでいたコンビニ袋から団子のパッケージを取り出す鹿屋。プラスチックの蓋をぱきぱきと空けてもぐもぐと食べながら。
鹿屋「んー……そうだなあ。戦うんじゃないかな、やっぱ」

颯太に団子を一串渡す鹿屋。
鹿屋「食べなよ団子」

言われるがままに串団子を口に入れる颯太。
鹿屋「あっちの世界に居たときはさ、エネルギアの執行部から押しつけみたいに戦いをやらされてたのに凄い腹を立ててたし、ユイナとかに上から説得されたりするのが腹立たしかったけど」

団子をむにゃむにゃと食いながら喋る鹿屋。
鹿屋「ここに来て、あの世界を何とか出来るのは、結局僕だけなんだって、はっきり解った。ならまあ、そんなに悪い事じゃないなって、今は思ってんだ」

振り向いて。
鹿屋「颯太。君も君にしか出来ない事、創んなよ。済んじゃった事を嘆くより、そいつを創った方が、なんつーか、建設的じゃない?」

屈託なく笑う鹿屋。

少し驚く颯太。
颯太「……鹿屋……」
颯太「そんなにカッコイイ事言えるキャラだったっけ?」
鹿屋「君、たまに失礼だよな」

指を舐めながら、不服そうに呟く鹿屋。眼下を変わらず青空が流れて行く。空には晴天の太陽が輝く。
颯太「ご、御免」
颯太「でも、……多分、そんなものないと思うよ。僕は、君らみたいな『主人公』じゃないしね」
鹿屋「何言ってんだよ。君は『主人公』どころか『神様』じゃんか。出来ない事なんて、ある訳ないよ」
颯太「神様、ってのを勘違いしてるよ。僕は──」
鹿屋「いや、勘違いしてるのは颯太、君の方だと思うな」

鹿屋、珍しく真面目な顔をして。
鹿屋「この世界がややこしいのも承知してるし、別に思った事全部が叶う世界だ、なんて思ってないよ」
鹿屋「でもさ、僕らみたいな『作品』のキャラは、いいか悪いかは置いて於いても、目的みたいなものがはっきり決まってて、そこから飛び出るってないじゃん。弥勒寺の兄貴とかは縛られてる感じがあって嫌だ、とか言うけど。僕は正直、そんなに嫌じゃないんだ」
鹿屋「使命がはっきりしてるってのは、楽だ。有り難い事に『作品』なら、本当に向いてないのにさせられてる、なんて事もない世界だしね。だけど君たちのいる『ここ』は、そんなことが余裕でそれがある」
颯太「全然励まされてる様に、聴こえないよ」
鹿屋「僕が言いたい事はさ。君らは僕らと違って、自分の行く場所を自分で決められる。容易くはないってただし書きはついてるけど──選んで、創り上げられるって事さ。僕らを創った様にね」
颯太「そんなのって……大変なだけじゃないか」
鹿屋「でもさ颯太、それ、凄いんだぜ。だって、自分自身のお話を、自分だけの為に書けるんだ」
鹿屋「僕らは世界を救う力を持ってるけど、でも、世界を救う以外の能はない」
颯太「それだけあれば充分じゃないの」
鹿屋「世界を救う奴は、救われるべき世界があるからこそいられるんだよ。その世界は誰が作るのさ、颯太」

颯太は鹿屋の顔を見る。鹿屋の顔は真剣だ。

鹿屋の携帯が鳴る。間抜けな呼び出し音だ。
鹿屋「あ、セレジアさんだ。颯太、ちょっと取って貰える?」
颯太「どこ?」
鹿屋「シートの後ろ、そう……お尻の辺り、どこ触ってんだよ、このスーツ敏感なんだからうひゃひゃ!!


騒ぐ鹿屋を尻目に颯太が携帯を取り出し、出る。

セレジアの声。
颯太「セレジアさん?」
セレジア「鹿屋と一緒なのね。すぐ戻って」

病院のセレジア。
セレジア「メテオラの意識が戻った」

シーン変わり、目を醒ますメテオラ。

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