週刊少年サンデー、サンデーGX、ゲッサンが協力する小学館の無料漫画サイト!

レクリエイターズ ネイキッド

7 july

7月11日

161/颯太、スタジアム内の仮設スタジオに入って来る。間仕切りで仕切られた広いツーバイフォーの空間。大勢の人たちが出入りをして、動画袋を持って右往左往している。
自衛官「外出理由と退出時間を記入して下さい」
アニメ関係者B「え? ちょっと受け取りに行くだけなんだけど、駄目?」
自衛官「機密厳守のため、規定です」
アニメ関係者B「厳しいなー! ほんとに軟禁じゃん!」

そのやり取りをしている入り口でIDを自衛官に提示し、ドアを空ける。


161.1/

場面代わり、作業場の中。ホワイトボードがあるのは間仕切りで仕切られた、ミーティングルームだ。

松原と中乃鐘が、難しい顔でホワイトボードを覗き込んでいる。横では駿河とまりねが椅子に座って見ている。

ホワイトボードにはごちゃごちゃの書付。
中乃鐘「で、ですね」

きゅきゅっとマーカーで書きつける中乃鐘。
中乃鐘「──鹿屋のパートなんですが、電磁寄生体とは違う識別反応が出たってことで向かうわけです。そこで」
松原「メテオラが残したメッセージのアミュレットを見つけると。で、合流。ここまではいいよな」
中乃鐘「あ、えーとですね」

資料をパラパラと捲って見る。
中乃鐘「すみません。昨日の夜までは、それで大丈夫だと思ったんですけど……相談してたうちのライターから、鹿屋が自分の世界の目の前の問題放り出して、異世界に行くってのは、なんか動機が弱いように思えるって言われてですね。まあー、聞いてるうちに、確かにそうだなって思いまして……


松原「でも今から、動機の補強なんて時間、捻れんの


中乃鐘「それなんですけど、実はかなり使える人間を呼べる目処がつきまして、そこに関しては大丈夫なんじゃないかと」

資料から目を上げて少し驚く松原。
松原「へえ、まじで?」
中乃鐘「シナリオの補強人員として、ゲームシナリオライターの出なんですが、アニメのほうも結構いけます。あと……


ぱらぱらと資料をめくって、それを閉じると手でぱん、と紙を叩く。
中乃鐘「演出のほうでも一人都合が。このプロジェクトにけっこう興味出してくれて、二つ返事で承知してくれました」
松原「そりゃ助かる。そう、一応、菊地原さんには……」
中乃鐘「もちろん、許諾は貰ってます。人を入れるにも、色々注意のいる案件ですしね」

駿河、顔を上げずにぼそっと。
駿河「人垂らし」

中乃鐘、眉を上げて少し得意そうな笑みを浮かべる。
中乃鐘「ネゴだって、僕の仕事のうちに入ってますよ。もし褒めてもらえるんなら、苦労が報われます」
駿河「うちら、ほとんど人と会わんし。そういう能力は縁遠いなあ」
中乃鐘「ただねえ──……」
中乃鐘「その演出屋さん、ちょっと偏屈というか、扱い難しいところもあってですね。そのへんで僕の時間を割かなきゃいけない可能性は出てくるんですけど。以前、僕が企画に呼んだときは『召喚に成功、従属に失敗』みたいな感じで、現場がぐちゃぐちゃになっちゃったことが」

眉を顰めて中乃鐘を見る松原。
松原「おいおいおい、そんなの呼んできて、ほんとに大丈夫なのか」
中乃鐘「それは、僕の責任でなんとかします。その人の師匠筋がもう、これに参加しててですね。彼を巻き込めば、制御出来ると踏んでます。なんせ弱みを握っているとか、いないとか、そこをうまく使えれば」
松原「そういう隠し技か」
中乃鐘「でもまあ、これで全体としては、進捗三割増しに出来るんじゃないかと」

机に足を乗っけてのけぞる松原。
松原「多人数プレイは恐えなぁ。基本、個人作業でよかったな、俺」
駿河「他人事ちゃいますやん。今まさにその多人数プレイ真っ最中やねんから」
松原「そうだなあ、あー、頭切り替えていかねぇと……」
駿河「話戻すと。ここまでの問題はとりま解決ってことで、ええんちゃいますの?」

ぱらぱらと資料をめくる松原。
松原「じゃあ、次……」
中乃鐘「あー、八頭司さんの作品の方」

少し溜息をつく中乃鐘。
中乃鐘「あれ、伝奇モノなんで、整合性取るのにはそこまで難しくないはずなんですよね」
駿河「せや、うちのほうが難しかった」
中乃鐘「オカルト要素が無いですもんね。でも、八頭司さんが」
中乃鐘「導入強引過ぎる上に、世界観が合わないって。そこでスタックしちゃってるんですよ」
松原「あいつ、来てるの?」
中乃鐘「さっき、見かけたけどなあ……」
まりね「あ、あたし呼んできます」

まりね立ち上がる。

毎日0時更新です