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レクリエイターズ ネイキッド

7 july

7月20日

7月20日

   

175/颯太「僕は......それっきり彼女と連絡を取るのをやめました。何を言ったらいいか解らなくて。それに──彼女の残した言葉が不吉すぎて、そんな勇気も出なかったんです」
颯太「でも、これが始まってから、思い出したんです。僕は確かに彼女を──アルタイルを知っていたって。そして、知りました。シマザキさんの身に起きたのは、僕が考えてた、最悪の想像通りだったって事を」

黙って聞いている松原と駿河。煙だけが喫煙ルームにたゆたう。

松原は喫煙ルームのガラスの向こう、どこともなく遠くを見つめながら。
松原「あー......そりゃ、嫌な話だ」

颯太に目を向け。

松原の言葉を静かに聞いている駿河。
松原「颯太君よ。俺だって、そんな気分と立場なら、......ひょっとしたらだけど、同じ事をやっちまったかもしれない、って思う」

煙を吐き出して颯太を見る松原。
松原「とは言えだ......やっぱり君のした事は、『そんなに気にすんな』、っていう訳にはいかない。仮にもし君が、これを何とも思ってなかったなら......俺は、そんな奴とは口を聞きたくないね」
松原「まあ、兎に角」

灰皿に煙草を押し付ける。
松原「そのセツナちゃんて子の死に、責任を感じた。だから、始末をきちんと付けたい。そう言う事だよな、颯太君」

これまで黙ってタバコをふかしていた駿河、ふと手を止め気のない口ぶりで喋り出す。
駿河「ウチはまた別。ややこしい責任なんて、別に感じる事もあれへんけどね。その子は気の毒やったけど、妬み嫉みに悪口陰口、色んなとこで言われながらみんな書いてるんやもの」
駿河「ただね、ウチが思うのは、水篠くん。書き手が己のものも見せへんで僻みだけ見せとったら君、こら右に出るもんない位カッコ悪いで」
駿河「そない当てつける様な言い方せんで、褒めるなら褒める、気に食わんなら八頭司はんみたいに、その子の書いてるもんが気に食わん、ウチは認めへん、云う言い方する方が、まだ通る筋や」
駿河「そうタンカ切って、自分で見せたもんがしょぼいもんやったら、ヘタレの恥を自分で背負う訳やしねえ。それで初めて、面目立つんちゃいますの」

眉をしかめ、黙って話を聞いている颯太。
颯太「そう......思います。だから」
颯太「僕は描くべきだと思ったんです。──彼女の創ったアルタイルに、見せる為に」

ちょっと考えてる松原。
松原「ある種、アルタイルを生み出したのは君かもしれない、確かに一理はあるわな。でだ」

頷く颯太。
松原「......さっきも言ったけど、これ、遊びじゃねーからさ。このイベントに噛ませる噛ませないって話、俺がほいほい決められるわけじゃない」

俯く颯太。

手を止めて、茫洋とした顔で様子を見ている駿河。
松原「──でも」
松原「とりあえずお前が何考えてるのか、聞かせろよ。話はそれからだ」

頷いて話をし始める颯太。
颯太「──ぼくは......


176/煙草がぽろりと落ちる。
松原「お前」

横であっはっは、と腹を抱えて笑う駿河。いつも茫洋とした雰囲気の駿河にしては、とても珍しい、大きな笑い方だ。
駿河「ええやんか! 君、おもろいやん!」

松原、額に手を当てて呻く。しかしそれは、笑いに変わって行く。
松原「颯太君よ」

呆れた様に言う松原。
松原「お前、ひっでえ事考えつくなあ。恐れ入るよ」

颯太は微動だにしない。

松原がひとしきりの笑いの後、にやりとした顔で笑う。
松原「でも、確かに。そんなお話なら、是非続きが読みたくなるよな?」

煙草を捨てて。
松原「とりあえず、キャラ組んで見ろよ。差し込める様に、伏線はこっちで用意する。実際に動くかどうかは、あとの成り行き次第だけどな」

背中をこきこきと鳴らして伸びをする松原。颯太の方を向いて。
松原「そういうのを差し込むと、回るんだよ、物語」
駿河「せや」

駿河が立ち上がってタバコを消す。少し意地悪い様な笑いを浮かべて。
駿河「変なものは、おもろい」


177/セレジアがメテオラに電話を掛けている。

横で買い食いをしている鹿屋。
セレジア「磁界変動は追えた?」

メテオラがそれに答える。
メテオラ「残念ながら、こちらはロストした」
セレジア「なんで二件も、同時に」
メテオラ「恐らく、世界の整合性の力が弱まっている影響。アルタイルの影響は絶大、油断の出来ない状況は変わらない。可変的空想力の度合いが高まっているのだと思う。弥勒寺から連絡は」


178/別動として別の場所にいる弥勒寺、いぶかしげに見回した後、それをじろじろ見てる通行人に。
弥勒寺「何見てんだよ、コラ」

メテオラにカメラ戻る。
メテオラ「......まだ、連絡はない」

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