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8 august

8月16日

8月16日

   

234/アルタイル「君たちは残余の時間を全て使い、この結界の構築に全力を費やした。当然だ。余と麾下(きか)の者達が、どの段階で攻勢をかけるのか、君たちにどの程度の時間が残されているのか。もちろん、神ならぬ身では解り様もないだろう。しかし」
アルタイル「しかし──牢獄に閉じ込めてしまえば、世界における余の影響は、完全に遮断される」

打ち込まれるミサイル。それが再びアルタイルの周辺で爆発する。同時に雨霰と打ち込まれる戦車砲の弾雨。しかしそれを意に介する風もないアルタイル。
セレジア「なんて奴......!」
アルタイル「大規模な攻撃に踏み切ったのは、影響圏を固定する事に成功したからだな?鍵を壊すには、余とて少しは骨を折る」

剣を振るアルタイル。弧を描き、広がる様にサーベルが無数の矢の様に飛んでいく。
横方向に展開するサーベル群は戦車へ向かい、縦方向に回転するサーベル群はF15Jに向けて飛んでいく。あっという間にそれらは壊滅し、吹き飛んでいく。上空で爆発、幹線道路も爆発で崩れ落ちる。
アルタイル「この兵器群は君の造り出した「模造品」だ、中には誰も乗っていないだろう? ──『万理の書』の能力だ」

CICのメテオラ、僅かに顔を顰める。
松原「あいつ」

作家陣、CICのモニター前で唸る。


234.1/アニメ好きの男子大学生の一人暮らしの部屋。

数人の男が大きめのノートパソコンの画面を見ながら、喋っている。

動画の画面にはスタジアムで流れているアニメと同じものが映されている。

テーブルには、飲み物や食べ物が散乱(裏設定としては、アニメを見るために集まったわけではない友達同士。趣味は一致している。家呑みの話があって、そのついでにアニメを観ることになった)
学生の一人が時々キーボードでなにかを打ち込んでいる(ニコニコ動画のコメントを打ち込んでいる)
学生A「おっ、メテオラの仕掛け、バレた」

B、スナックの袋に手を突っ込んでバリバリとやりながら。
学生B「タイタンソフト、怒らねぇの? メテオラ上回る奴がいるとなると、世界設定しょぼくなんねぇ?」

学生C、スマホゲーをいじりながらのながら見。
学生C「この企画タイタン主導らしいから、そこらへん、バランス取るためのどんでん返しとか、ある気するけどな」
学生A「へえ、タイタン主導なんだ」
学生C「て、ネットで言ってた。『鳥篭』の魔法陣とかゲルシュバ(フォーゲルシュバリエのこと)の使ってんじゃん。そのあたりが宣伝費として落ちてるとかなんとか......そういうの」
学生A「へー。......ま、俺はゲルシュバの新作出てくれるなら、なんでもいいわ。はよセレジアの水着回作れっつの。したらBOX買うし」
学生B「お前、そればっかな」

画面に映るアルタイル。
学生C「アルタイルのターン開始ー。やっぱ、アルタイルいいな。商業展開したら集めっかも」


235/アルタイル「さて」
アルタイル「次はどうする。少なくともこれで君たちは時間を捻出する事に成功した。あとは時間も被害も気にせず、煮るなり焼くなり好きに出来る。そう、考えているんじゃあないのかな」

くすり、と笑うアルタイル。少女らしからぬ低い声が愉悦まじりに響く。 アルタイル「大間違いだよ、聡明なるメテオラ」


236/地面に降り立ったフォーゲルシュバリエ、もう一度バーニアを吹かしてアルタイルに向けて飛び出す。
セレジア「あああああッ!!!」

流星の様に疾駆する機体は真っすぐにアルタイルを目指して突き進む。
セレジア「波動詠唱!!」
セレジア「汝が敵に雹を穿て!!  強き暴風(インドゥストリウス・ベカウド)!!」

機体の前に魔法陣が浮かぶと、光が集まり一直線にアルタイルの元へと飛ぶ。

アルタイルはそれをサーベルで薙ごうとするが、回転する刃はそれを食い止められずに神速で自壊する。少し目を見開くアルタイル。

爆発。それはとてつもない光を放つと、爆発が一瞬大きく広がり、そして爆縮して更なる大爆発を起こす。一瞬ブロックノイズに包まれるアルタイル。その身体が散り散りになる。が、すぐにそれは──まるで電波の乱れに再びチューニングがあう様に──元に戻る。


セレジア「くそっ......最大効力でも駄目か......! やっぱり、物理的な攻撃呪文は効かない...!」

アルタイル、何かを疑う様な顔で首を傾げ、セレジアに向けて言う。
アルタイル「君」
アルタイル「余の悲願を食い止める為に、君たちはあらゆる手を尽くし──策謀を練って来た筈だろう」
アルタイル「その結実が、これなのか? そうではあるまいよ。まさかそんな、こんなものである、筈がない」

アルタイルは眼を瞑り、静かな失望とともに首を振って溜め息をつく。手のひらを上にして、くいくいと手招きする。

その動作の中に、失望とともに挑発の意図が見える。 アルタイル「もう一度、やってみたまえ。ひょっとしたら、余の作法が悪いのかもしれない」

セレジア、悔しさに歯を噛み締める。

メテオラの声がセレジアのヘッドカムに入る。 メテオラ「彼女の概念そのものを攻撃しないと、効かない」 セレジア「解ったわ」

セレジア、再びレバーを引いて姿勢を制御する。
セレジア「ああもう、頼むわよ松原、あんたの組んだ能力、お願いだからちゃんと発動させてよね!」

起き上がり構えるフォーゲルシュバリエ。

機体の下に魔法陣が複数浮かび上がる。
セレジア「ホノリウスの猛き詠唱、其は三千世界を歪ませり。マゴア、アマイルは正しく英知の在処を示しアルス・ノトリアは七方へその力を揮う。其は焔獄に非ず、また氷晶に非ず、理は混沌へと還元する」

アルタイル、魔法陣が力を持つ様を目を細めて見遣る。
セレジア「姿は無く、意義はなく。影さえもそこには存在せず───」

魔法陣が歯車の様に回り、それに呼応してアルタイルの周辺が不意に幾何学のような模様に彩られる。それはゲートの様な形になり、トランプをシャッフルするかのような動きとともに無数に連なる。

アルタイル、それを眺めやると。
アルタイル「八門

セレジア、その魔法陣のスピードが最高潮に達した時、頃合いと図って叫ぶ。
セレジア「飲み込め、永劫の喪失(アイオーニオン・アフォーリア)!」

その言葉とともに合わせ鏡の様になったそれが、アルタイルを挟み込み消滅する。

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