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8 august

8月21日

8月21日

   

247/驚愕するブリッツ。
ブリッツ「─―......まさか、......そんな」

構えている銃が震える。汗が額を滑り落ちる。その銃はエリナを捕らえている。
ブリッツ「嘘だ、あの子は死んだ、死んでしまったんだ! 俺の目の前で!!」

エリナはどうしたらいいか解らず、おろおろとしながら取り乱す父親の姿を見ている。

ブリッツは再び駿河に銃を向ける。
ブリッツ「まやかしだ! 貴様、何のつもりだ、エリナが生きてるなんて事──」
駿河「あり得んかいな? その通り。本来なら理は変えられん。でもな、今は普通じゃあれへんし、あんた達はそもそも、うちが創作したキャラや」
駿河「呼び戻すのは骨やった──ウチが書いた『code:babylon』の世界には、『魔術師』なんておらへんかったからな。でも、別の世界なら?」

はっとしてブリッツが駿河を見る。
駿河「そう、それぞれの世界の理が歪んで、メテオラが現界した。メテオラのおった世界では、あの子は最強、最高峰の魔術師や。創作物同士、その辻褄は合わせられる」
駿河「ウチらはプロットを組んで、メテオラとあんたのいた世界観を繋げた。次元の門をメテオラの力で作り直し、バラバラになってあんたに頭を吹き飛ばされたエリナを呼び戻す様にな」
ブリッツ「そんな、事が」
駿河「もしあんたらが──エリナがうちらの世界の人間やったら、それこそ奇跡を期待するしかあれへん所やったけどな。せやけど物語内の理屈を弄れる『被造物』同士、今の状況なら可能の範囲や。ただ、それには一つ関門があった。避けて通れん『承認力』の問題がな」

固唾をのんで言葉を待つブリッツ。
駿河「でも──」
駿河「それはクリアされた。何故やと思うブリッツ、ここ一番でエリナを呼び戻してメテオラに協力させる事をな、『観客』が認めたからや」

再び苦痛に顔を歪めた後、苦しげな笑いを浮かべてブリッツを見る駿河。ブリッツは眉を顰めて駿河を見返す。
駿河「今発売してる外伝の評判、上々やで」
エリナ「パパ」

エリナがおずおずとブリッツに近づき、やがて抱きつく。ブリッツはそれを堅く抱きしめ返す。
ブリッツ「エリナ」
ブリッツ「すまん......パパは、お前を撃った。撃ってしまった」

首を優しく抱き、落ち着かせる様に父に向かって言うエリナ。
エリナ「ううん、終わらせて欲しいって、私が望んだんだもの。パパならきっと、望みを叶えてくれると思った。嬉しかった」
ブリッツ「ああ、何を言うんだ。私はお前を助けられなかった。なにを望んでも助けるべきだったのだ、父親として私は──」
エリナ「そんな事ない。愛してる。もう一度愛してるって言えるなんて思わなかった。本当に嬉しいの、パパ」

ブリッツの涙が滂沱の様に流れ落ちる。

駿河もう一度血を吐く。その血を拭って。
駿河「さあ正念場や、ブリッツ。彼女は戻って来た。あんたはどうすんねん。可哀想なアルタイルに忠義を建てて、もういっぺん娘が死ぬとこ見たいんか? それとも奴をいてこまして、あんたの世界へ娘と一緒に戻るんか?」

ブリッツを睨む駿河。
駿河「どっちでも好きな方を、選んだらええ」

エリナを見遣るブリッツ。エリナも眉を潜めて、ブリッツを見返す。
ブリッツ「貴様らは......人でなしだ。俺たちの人生を玩び、まだ飽き足らずに楽しむつもりか。この畜生共が!」
駿河「さっきも言うたやん。うちらは、話が面白くなりゃなんでもええんよ」

真垣一等陸佐が指示をする。
真垣「彼女を!」

自衛隊員達に助け起こされる駿河。

自衛隊員に囲まれたブリッツ、エリナを抱きながら駿河に呟く。
ブリッツ「貴様が死んだら、その契約も反故になるんじゃないのか」
駿河「誰が死ぬか、ぼけ」
駿河「行ったのはアバラだけや。どっかに刺さってはおるかも知れんけど」

駿河、片腕を自衛隊員に支えられたままもう片腕で胸元のシャツを上げる。

そこには防弾チョッキが。
駿河「自分のキャラに殺されるかて、そんな間抜けなセンセイちゃうわ」

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