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8 august

8月23日

8月23日

   

252/カメラは再び『鳥籠』へと戻る。弥勒寺と翔の戦い。強い剣戟だが、やはりバイヤールと翔の二段重ねの攻撃に弥勒寺は押され始めている。肩で息をする弥勒寺。翔の一撃が弥勒寺の木刀を押し撥ね、弥勒寺は後方へと飛んでガラスを突き破る。

翔が倒れ込んだ弥勒寺の上へ立ちはだかり、三節棍を一本の棒へと変えて突きつける。
翔「どうした。こいつでもうおしまいか」
翔「──荒木(あらき)、此処果(ここのか)。てめえの殺した二人を忘れるな。地獄の門は開いてるぜ優夜!!」

弥勒寺「くそッ......てめえな......!!」

そう言った瞬間にオーラ様の物が立ち上がり、再び甲冑武者・板額の姿が浮かび上がる。目を見張る翔。板額が翔を跳ね返し、バイヤールと再び剣戟を組み交わす。


253/真鍳「──嘘の嘘、それはくるりと裏返る」

指をパチンと鳴らす。


254/鳥かご内、ビル群廃墟。

弥勒寺、吠えながら板額を立ち上げて怒濤の突きを開始する。距離が開く二人、弥勒寺は肩で息をしながらもう一度板額を手元に戻す。
弥勒寺「なにがなんだか解んねえが──これで本調子だぜ、翔」

滑る様に後ずさる翔、バイヤールをもう一度身体に纏う。憎々しげに弥勒寺を睨む。


254.1/

弥勒寺の絵が画面に流れる。

ニコニコ動画の画面。「復活!」「おお復活」「ふっかつwwwwww」「脈絡無さ杉」「なんで?」「スーパーフルボッコタイム開始」「ご都合主義」等の言葉が弾幕で並ぶ。


255/フェス会場、観覧席。

振り返る颯太。

真鍳、「まーそんな訳でして。颯太君、ぐっばいあでぃおす、また逢う日まで。そんな日があるかどうかは、マガネちゃんにもわかんないけど!」

手をひらひらと振り、扉から出て行く真鍳。
真鍳「んじゃ、ね」


256/弥勒寺の板額、凄まじい打ち込みを開始する。翔、踏みとどまると三節棍をもう一度延ばして迎撃態勢に入る。
翔「ようやく本気って訳か。馬鹿にされたもんだぜ。バイヤール!」

バイヤールを呼び戻し、構えに入る。

身体から闘気が立ち上り、バイヤールが飛び出す。周囲のショーウインドウが割れ、水晶の様に飛び散る。そこに映るバイヤールの剣が全て弥勒寺に向かって切り刻もうとする。


弥勒寺「くッ!」

それを回転する様に木刀を振り、反対に板額が刀を振って全て弾き返すが、その隙を狙って翔が三節棍を大きく振る。しなる様に飛んで来る三節棍。

それを弾き返す何者かの衝撃に大きくのけぞり吹っ飛ばされる翔。

弥勒寺、翔「ッ!」

目を見張る二人。

立ちはだかっている何者か。妙に露出の多い、恥ずかしい感じの格好をした、中華風少女だ。脇にはスパイクの付いたごついヌンチャクを持っている。

弥勒寺はその少女が何者なのかようやく気付く。
弥勒寺「お前──......星河か!!」


257/ブルースリーの様なポーズでステップを踏む星河ひかゆ。足を組み替えながらヌンチャクを迅雷の早さで振り回し、バシッと目の前で揃えて息を吐く。
ひかゆ「こお~~~~~~ッッ!!」

弥勒寺、架式を正して呼吸を吐くひかゆに少し引き気味になりながら。
弥勒寺「......お前、そんなキャラだったの?」

ひかゆ、ギギギ、と首をぎこちなく回して弥勒寺を見る。その顔は恥ずかしさに真っ赤になっている。
ひかゆ「あの弥勒寺さん、余計な事言わないで下さい。わたし今すごい頑張ってますけど、心砕けそうなので」


258/CIC。松原が呆れた様にその様子を見ている。
松原「よく『承認力』得られたな、あれ」
中乃鐘「意外にみんな、ああいうの好きなんですね」

大西。ドヤ顔。
大西「いや、完璧っすわー」


258.1/四十代の男性。子持ちの年取ったオタク。

子供の物に占拠されつつある書斎。

酒を飲みながら、卓上のデスクトップでフェス動画を開いている男。ひかゆ登場を見て男、あっはっはと笑う。
男「この格好は、ないわー」

子供が横で男を見上げて。
子供「おとーたんおもしろいの」

男、子供を抱き上げて膝に乗せる。
男「そうだよー、とし君。お父さんが大昔にやってた、ゲームのキャラなんだよー、つってもわかんないよな」

腕から逃れようとじたばたする子供。
子供「んやーだー」
男「『ほしミル』も、もう十年前か。そら、俺もおっさんになっちゃうよね」

「いいぞ、もっとやれ」と打ち込む。ひかゆの動画の画面に流れる弾幕。



259/きっ、と前を向いて、ずんと寸頸の形に足を踏みならし構えを取るひかゆ。足下のアスファルトが割れて沈む。ひかゆは翔に向かって叫ぶ。相変わらず顔は真っ赤なままだ。
ひかゆ「エクストリームファイナルレジェンドマーシャルアーティストひかゆ! ここに推参!!」

翔、はあ、と溜め息を吐いて。
翔「女を殴るってのは、趣味じゃねえ。下がってて貰えるか、すごい恥ずかしい格好の姉ちゃん」

ひかゆ、大赤面しながらミニスカを押さえて内股になる。
ひかゆ「はうあー! 知ってますからー! それはいいですからー!!」

もう一度ヌンチャクを構えて真面目な顔に戻る。
ひかゆ「あ、あ、あなたに恨みはありませんが、ここで退けないのであれば、私も手合わせさせて頂きます!」

目付きが変わる翔。
翔「──肩を持つってんなら、しょうがねえな」

腰にぐるりと三節棍を回して構えを取る翔。背中には再びバイヤールが浮かび上がる。

三者が対峙する中、もう一人の足が瓦礫の上を踏みしめる。


260/「盛況だね」
何者かの声に振り向く翔と弥勒寺、ひかゆ。
弥勒寺「くそ、オッサンかよ。遅いぜ? どこで油売ってたんだ?」

肩をすくめるブリッツ。
ブリッツ「野暮用があった物でね」

ブリッツ、眉を上げてひかゆを見返す。
ブリッツ「......ずいぶんと涼しい格好の娘さんだな」

ひかゆ「わあ! やめて! 見ないでー!」
翔「ここは俺だけで充分だぜ、オヤジさん。あんたは鎧女のほうを──......」

打ち込まれる銃弾。翔が辛くも避けて態勢を整える。立て続けに打ち込まれる銃弾。銃口から硝煙が立ち上る。翔は物陰に隠れる。

意外な展開に目を見張って振り向く弥勒寺、ひかゆ。
翔「──......あんた、どういうつもりだ」

ブリッツ、リボルバーのラッチを開いて薬莢を落し、次の弾を装填する。
ブリッツ「私としては、実に忸怩たる所だが」

ラッチを元に戻す。
ブリッツ「翔君。済まないが君の相手は二人ではなく、三人だ。君だけで充分とは、言えなくなったと思うがね」
弥勒寺「何?」

弥勒寺を向くブリッツ。
ブリッツ「君のように察しが悪い男とバディは組みたくないが、仕方がない。私は君達の陣営になったという事だよ」

煙草を取り出し、一服してから銃を掲げる。

ふん、と鼻で笑って木刀を振る弥勒寺。
弥勒寺「なんならそこで見ててくれても構わねえんだぜ、おっさん。年寄りが張り切るのは、身体に毒だ」

ひかゆも構える。翔を見据えるブリッツ。
ブリッツ「さあ──二回戦と行こう」


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