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8 august

8月24日

8月24日

   

261/再び魔法弾で攻撃をするセレジアのフォーゲルシュバリエ。それを縦横な軌道であざ笑うかの様に躱しながら空を翔るアルタイル。

ふと空中で止まって呟く。アルタイルはブリッツが『鳥籠』に戻った事を知っているのだ。
アルタイル「ブリッツ──何故戻った。愚かな」
セレジア「嵐の精霊(エレメンティウム・トゥレボー)!」

再び魔法陣が空中に浮かび、渦を巻いた魔力の弾がうねりながらアルタイルを襲う。アルタイルはその方向を見ず、蠅を手で払う様にそのトルネードを弾いて消散させる。

アルタイルはまだブリッツの方を見たままだ。その顔は僅かに哀憫の表情を浮かべている。
アルタイル「──君は、娘御と居ればそれで良かったのだ」

セレジア、相変わらずアルタイルが無傷な事に苛立ちを隠せない。
セレジア「くうッ!」

フォーゲルシュバリエは剣を抜く。ロボットの体格に見合う巨大な剣だ。それを翳して、アルタイルに突っ込んでいく。
セレジア「でぁあああッ!!」

それを指の二本で受け止めると、振り向いて無表情に睨みつけるアルタイル。まるで攻撃が効いていない事と、その表情に戦慄するセレジア。

そのまま腕を回して、剣ごとフォーゲルシュバリエを地面へと叩き付ける。ビルを二棟程ぶち抜いて転がっていくフォーゲルシュバリエ。


262/CIC。メテオラの前に在る紋章が強く光る。『承認力』が発動可能になった事を示すインジケータだ。

メテオラ「イレムの彼方、残照の篝火(かがりび)は未だに消えず。陪星の如く其(それ)はまた月魄の如く有り──乾坤の変化を汝に委ね、その証を篭手に示せ」

その詠唱とともに幾つかの紋章は、色とりどりの光を発する。


263/ふっとぶフォーゲルシュバリエを見遣る鹿屋。
鹿屋「セレジア! くそっ!」

アリステリアも轟音の方向に首を巡らす。その時、篭手についた紋章がまばゆく光り出す。アリステリアはその篭手を見て驚く。
アリステリア「これは──......!」

その篭手の輝く意味に気付いて、ふと笑う。
アリステリア「高良田。ちゃんと心は、通じていた」

鹿屋もその篭手の輝きに気付く。
鹿屋「......あれは......発動したんだな!!」
鹿屋「あいつに伝わってなかったら、このまま殴り合い続ける所だったよ。......っとお!!」

アリステリア、飛びかかり突きを入れる。それを慌ててリフレクターフィールドを張って防ぐ鹿屋。
鹿屋「なんだよ! 聞いてた話と違うじゃんか! ほんとに伝わっ──」

アリステリアはリフレクターフィールドにギリギリと斬りつけながらぼそりと言う。
アリステリア「このまま、続けろ」

鹿屋、その言葉の意味を悟り、少し呆気にとられた後、頷く。


264/三人からの攻撃。必死に防戦をするが、翔は防ぎ切れない。銃撃を避けながら、ひかゆのヌンチャクを避け、更に板額の打ち込みをも避ける翔。

翔、渾身の必殺技。大きな会社のホールの様な所に誘い込み、三節棍で柱を全て叩き割る。
弥勒寺「どこを狙って撃ってるんだ、ええ翔!」
翔「馬鹿野郎、わざとだよ」

轟音とともに部屋全体が軋み、周囲のガラスが砕けて落ちる。そのガラスが雨の様に降り注ぐ中ひかゆがヌンチャクを傘の様に振り回してその降り注ぐガラス片を防ぐ。
ひかゆ「ブリッツさん!」

ブリッツ、その傘の下に滑り込む。そのガラス片を見て。

弥勒寺、ガラス片を板額と共に砕きながら翔に向かって突き進む。
弥勒寺「てめえ、往生際が悪いぜえ!」
翔「解ってねえな、優夜」

弥勒寺を睨みつける翔。
翔「俺のバイヤールは、反射面全てから攻撃出来るんだぜ!?」

弥勒寺、しくじったとばかりに目を見張る。
翔「この部屋全部が──剣山だ」
弥勒寺「くそッ......ブリッツ! ひかゆ! ここから逃げろ!!」

落ちていくガラス面、床に降り積もったガラス面全てにバイヤールの姿が浮かぶ。

翔、目を閉じてホールから去ろうとする。
翔「悪いな。これで決めるぜ」


265/その瞬間、ひかゆが傘の様にして振り回していたヌンチャクを止め、膝をつき手を床に着く。

その瞬間ホールの床がぼがんと割れて捲り上がる。

ひかゆ「はあああああああッ」

その手からまばゆい閃光が迸る。逆光に照らされるひかゆ。ゴウキのポーズで全身に闘気が籠る。「パン!」と手を閉じ鳴らす。
ひかゆ「 是(こ)れ義は其の身よりも貴(たっと)ければなり!  故に曰く! 萬事、義より貴きはなし!!」

でも顔は真っ赤。ヌンチャクが轟と唸り、回転しながら空中を飛ぶ。パンツ見えそうで見えない。
ひかゆ「活殺万流! 二河(にが)を渡りし羅漢の我が拳、今こそ金剛となすッ!!」

激しい閃光と共にヌンチャクの光が長く大きくなる。
ひかゆ「げぇきぃさぁつうううううううううッ!! 無双屈強!! コスモ地獄拳ッ!!」

翔、振り向いて驚愕する。
翔「なん、だと......!!」

バイヤールも間に合わない。崩れるオフィスビル、閃光とともに爆発して四散する。


266/再び離れ、もう一度アリステリアが突進し、粒子加速砲を撃とうとするギガスマキナの手を弾く。その組み合う瞬間にアリステリアが鹿屋に呟く。 アリステリア「これを、どう使えばいい」

鹿屋のギガスマキナがアリステリアをわざと近寄せ、組み合う素振りを見せる。絵的には普通に闘っている様に見える。
鹿屋「僕の言う通りに!」

鹿屋、ヘッドカムに向かって。
鹿屋「メテオラ! 僕の機体に概念凝集ブーストを! セレジアには予定通り、対幻想ペンタグラムを!」

CICのメテオラ、頷く。
メテオラ「了解──詠唱を開始する」

鹿屋、聖槍を繰り出して来るアリステリアの攻撃を避けながら問いかける。
鹿屋「アリステリア、君のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンは、精霊召還に特化した装身具だよね!?」

アリステリア、再び離れて頷く。槍を構え、再び突く。
アリステリア「そうだ」
鹿屋「それを、一時的に封印する」
アリステリア「何?」
鹿屋「封印って言っても、別に技を出なくさせる訳じゃない。絞るんだ、その力が一点に集中する様に──」
鹿屋「僕がそのブーストを担当する。召還出来る神の力を限界まで使って、彼女が支配する暦数を全て破壊するんだ」

火花を散らせ、再びギガスマキナとアリステリアが離れる。
鹿屋「対幻想ペンタグラムを発動させれば、彼女の因果率の支配を僅かだけ解消させられる、そうメテオラが言ってた。セレジアが止め、僕が集めて、君がぶち込む。でもペンタグラムの効力はごく短時間だ。その隙を突くしかない」

アリステリア、説明に頷く。
アリステリア「──それでしか、世界は救えないのだろう?」
アリステリア「ならば、やり遂げてみせよう。私は『主人公』だ」

鹿屋がむくれる様に言う。
鹿屋「僕だって、一応主人公だぞ」

アリステリア、笑う。
アリステリア「主人公が二人だ。恐れる事は何もない。行くぞ!」
鹿屋「いいかいアリステリア、彼女がここに存在する可能性の、最後の欠片までをぶち壊すんだ!」
アリステリア「ああ!」

絡み合いながら飛び立つ二人。


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