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8 august

8月25日

8月25日

   

267/瓦礫の向こうにはねとばされる翔。身体がボロボロだ。

逆光で近づく弥勒寺。立ち上がろうとするが、立ち上がれない翔。
翔「なんだあの女......メチャクチャじゃねえか......!!」
弥勒寺「ざまァねえなあ、翔」

肩で木刀をとんとんと叩きながら。
翔「くそ......」

荒く息を吐く翔。

ひかゆがとん、と瓦礫の上から降りて来て。
ひかゆ「どうするんですか、まだやりますか!? やるなら」

ぶるぶると震えながら闘気を吐き出すひかゆ。
ひかゆ「こあああ~~~~ッ!!」

それを後ろで見ていた弥勒寺、やんわりと止める。
弥勒寺「いや、それ、もういいべ」

肩を竦めてその様子を見ているブリッツ。

憎悪に籠った目付きで弥勒寺を睨みつける。
翔「弥勒寺、......俺はてめえを......許さねえ。此処果、荒木の野郎を殺したテメエを置いて、地獄にゃいけねえんだよ......ッ」
ひかゆ、不思議そうな顔をしたあと、少し怒った様な顔になり。
ひかゆ「弥勒寺さん、やっぱりまだ、言ってなかったんですね。なんかおかしいと思った」


弥勒寺、肩を竦めて。
弥勒寺「わりいわりい。ま、どっかで言おうとは思ってたんだけどよ。なんかこの、言いそびれた」

そのやり取りを不審そうに眺める翔。
翔「......何の話だ、お前ら」

二人で翔を見ると、ひかゆが肘で弥勒寺を促す。仕方なく喋り出す弥勒寺。
弥勒寺「あー......、あのな。本当はルール違反なんだが、まあ、しゃあねえ」

ひかゆが後を続ける。
ひかゆ「あの翔さん、落ち着いて聞いて欲しいんですけど。あのですね。翔さんの妹さんと親友さんを殺したの、弥勒寺さんじゃないですよ?」
翔「は?」

弥勒寺がすかさず追加する。
弥勒寺「うん、お前にバイヤールくれた占い師の親父いるだろ」
翔「......おう」
弥勒寺「で、あいつからお前、俺の事色々吹き込まれただろ」

顔色が変わる翔。
弥勒寺「黒幕あいつだ」

目を見張る翔。
翔「はーーー!?」

イベント会場。そのカミングアウトがスクリーンに映し出されている。
観客「はあーーーーーーーー!?」

CICにいる八頭司も叫ぶ。
八頭司「ああー! あいつ、ネタバレ言いやがった! どうすんだよ、続きは! もおおお!!」

弥勒寺、困った様な表情を浮かべて、翔と目を合わせない。
弥勒寺「俺もここに来てから知ったんだ。俺な、なんでお前が俺を恨んでるのか、理由を知らなかった。お前の事だから、おれと戯れてんのが楽しいのかと思って相手してたんだが」

翔、情けない顔になる。
弥勒寺「......どうやら違ったみてーだなァ」
翔「ッたりめえだ! 誰がてめーと遊びたいだけで殺しあいすんだよ!! このバカ!」
弥勒寺「ま、俺も、なんも言わずに出て行ったのは悪かったがな」

翔、混乱して何がなんだか解らない。
翔「てめえ! くそっ......! なんだよ、その糞メチャクチャな話はよ! 嘘吐くんじゃねえ!」
弥勒寺「嘘じゃねーよ。俺がお前に嘘こいて何の得があんだよ、翔。相変わらずの熱血直情馬鹿だな、お前」
翔「余計なお世話だ!! にしても......てめえ......なんでそんな事......何から何まで知ってんだよ!! 何を証拠に───!!」

弥勒寺、しれっと言い放つ。
弥勒寺「描いたやつから聞いた」

CIC、その様子を見ている作家陣。八頭司が叫ぶ。
八頭司「あいつう~~~~~!!」

突っ伏す八頭司。


268/弥勒寺が肩を貸そうとして、翔に歩み寄る。
弥勒寺「まあ、こまけえ事ははしょるがよ。俺らの世界を作った野郎から聞いたんだ。多分本当なんだろうよ」

翔、その手を振り払って。顔は怒りに燃えている。
翔「ふざけるな」
翔「──そいつが俺らの世界を作ったんなら、ぶっ飛ばすべきはそいつって事になるんじゃねえのか、優夜!」

弥勒寺、困った様に眉を上げる。
弥勒寺「違うぜ。──企んだのも、殺したのも、そいつはやっぱりあの占い師だ。『造物主』ってのは単に、運命に人格が付いただけのシロモンなんだ。そいつに怒っても、しゃあねえだろ」


268.1/フェス会場内外。

観客が呆れたように言う。
観客「なんの話してるんだ、あいつら」
観客「楽屋オチ?」
ニコニコ動画の弾幕「何を口走るかと思えばwwwww」「まさかのメタ展開」「こまけえことはいんだよ」等が並ぶ。


268.2/ブリッツが言う。
ブリッツ「キミは若いのに達観してるな。普通は翔くんと同じ結論に達する。私もそうだ。だが──」
ブリッツ「ここからは出られんよ、君。あそこにいる彼女を倒すまではね」

顎をしゃくって、セレジアのフォーゲルシュバリエと闘うアルタイルを見遣る。

弥勒寺、はやる翔を諌めに掛かる。
弥勒寺「いいかあ翔? オメーは真面目だからそう言う事も言うけどよ。仮にウチらの神様をぶっ飛ばしてもだ、ウチらの世界が宙ぶらりんになるだけだぜ?」

少し眉を上げて語る弥勒寺。
弥勒寺「それに──お前を味方に引き入れた、あの軍服コート。あの女はな、ここだけじゃねえ、俺らも含めた繋がってる世界の全部を消滅させるつもりで、あそこにふんぞり返ってんだ。お前、そいつを解ってんのか?」

それを聞いて顔を顰める翔。
翔「優夜、それマジで言ってんのか。世界とか、どうかしてんぞ!?」

弥勒寺、翔の物わかりの悪さに少し苛つきながら。
弥勒寺「だーから、今更お前に嘘こいてなんか得があんのか、っつってんだろ。とりあえず敵はあいつだよ」

翔の肩を抱き、親近感たっぷりに顔を寄せる弥勒寺。鬱陶しそうな顔の翔。
弥勒寺「だからよ、手ェ組もうや、翔。したらよ、うちらの世界に戻った時、あの糞占い師をぶっ飛ばしに、一緒に行ってやっからよ! な!?」

肩を抱いてにやりと笑う弥勒寺。翔は眉をしかめて見ているが、やがてその手を払うと。


翔「──......お前の言ってっ事は、大体解った。確かにこんな訳のわかんねー状況で、わざわざ嘘ってのも意味がねえ。休戦だ」
弥勒寺「解ってくれて助かった。頭の固いお前のこったから、めっちん辺りを連れて来て、一晩掛けて説得しなきゃいけねーかな、と思ってたが」
翔「誰だ? めっちんってのは」
弥勒寺「ああ。......こっちで知り合った、仲良しのダチだよ」

その言葉と表情に、少し感じ入った様にしげしげと弥勒寺を見つめる翔。
翔「──お前」
弥勒寺「あん?」
翔「俺たちの閉鎖区でやり合ってた時は、お前はなんつーか......もっと冷酷で、もっと破れかぶれな感じだったが......お前、感じが変わったな」

それを言われて少し戸惑いながら、困った様な顔をする弥勒寺。
弥勒寺「そうかい?」

その刹那、上空をギガスマキナとアリステリアが絡みながら飛び去って行く。轟音と爆風。
ひかゆ「きゃっ!」

ブリッツはそれを仰ぎ見る。
ブリッツ「あっちはまだ、戦闘継続中だ」
翔「どうする。こうなっちまったら鎧のネーチャンは敵だ。ロボットに加勢に行くか?」

弥勒寺、鼻で笑って。
弥勒寺「ああ、ありゃ、わざとだ」

蒼穹に上がって行く二人を眺めながら呟く弥勒寺。
弥勒寺「めっちんの仕掛けが始まったんだ。うまく行ってくれよ、頼むぜ」


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