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8 august

8月28日

8月28日

   

275/CIC。高良田がこぶしを握る。

椅子を蹴って立ち上がる。

驚いて振り向く松原、中乃鐘達。
中乃鐘「たか......」

中乃鐘が高良田を止めようとするが、高良田は震えて泣いている。高良田が泣いているのに気付いて言葉を掛けられなくなる。高良田は倒れている椅子を更に蹴り付けると、外に出て行ってしまう。


276/アリステリアの消滅を見届けるセレジア。そして弥勒寺、ひかゆ、ブリッツ、翔の四人。
弥勒寺「......くっそ」

上空では、未だにセレジアのフォーゲルシュバリエがカロン機の前に立ちふさがり、その二機と鹿屋のギガスマキナが対峙して睨み合いを続けている。
鹿屋「セレジア! そいつは敵だ、もうセレジアのいた世界とは、立場が違うんだ!」

その言葉を認めたくない、しかし理性では認めざるを得ない状況に葛藤して叫ぶセレジア。
セレジア「鹿屋! お願い、黙って!」
鹿屋「セレジア!!」

眉を顰めながらセレジア、カロンへと語りかける。
セレジア「カロン聞いて! 彼女の、アルタイルの言ってる事は、出鱈目なの」

その言葉に、僅かにいらつきを覚えながら言葉を返すカロン。
カロン「この世界が『造物主』達の世界である事は、本当だ。それなら──世界は変えられる!」

スロットルを握る手に力が籠るカロン。
カロン「俺たちの王国は危機に瀕していた。アヴァロン・ブリゲードを俺たち王立騎士団だけで止めるのは、とっくに限界が来ていた」
カロン「一体何人の仲間が死んだ? どれだけの都市が破壊された? どれだけの血が、どれだけの涙が流された? だが、この世界の『創造』の力があれば、世界を作った者の力があれば──その劣勢は必ず変わる筈だ!」

その言葉を聞いて、首を振るブリッツ。
ブリッツ「この世界の存在自体が──まるで黒魔術だな。皆、願望に溺れていく」
セレジア「そんなに......そんなに単純じゃない。私達は知ってるの。『造物主』たちに、そんなに都合の良い力なんてない」
カロン「どうしてだ。その『造物主』が自分で造り出した世界じゃないか。彼らにも──自分の作った世界に対する責任はある筈だ。いや」
カロン「その責任は、必ず果たさせる。そうでないと、セレジア、解るだろう」

鹿屋が粒子砲の照準を合わせながら叫ぶ。
鹿屋「どいて! セレジア!」
セレジア「それは、『造物主』でも、どうにも出来ない! あなたの考えてる程、『承認力』の問題は単純じゃない!」
カロン「二つに一つだ、セレジア。俺たちの世界を取り戻すか──失うか」

セレジア機を飛び越えるカロン機。
セレジア「カロン!」

不意を突かれてたじろぐ鹿屋のギガスマキナ、そのまま剣を抜いたカロン機がギガスマキナに切り掛かる。腕に食い込む剣先。そのまま胴体を庇った右腕が轢断される。悲鳴を上げる鹿屋。
鹿屋「うああああああッ!!」
セレジア「やめて!」

カロン機に飛び込んでいくセレジア機。刀を奮い、鹿屋に止めを刺そうと追撃するカロン機に切り掛かる。攻撃を避ける為に剣を横殴りに振り、鍔迫り合い状態になるカロン機。


カロン「セレジア」
セレジア「......駄目」
カロン「何故だ。お前は、俺たちの王国を......あの世界を見捨てる気なのか」

カロンは叫び、カロン機は剣を振り払ってセレジア機に相対する。
カロン「セレジア、俺たちの世界を玩ぶ『造物主』を、お前は信じるのか! 俺たちの世界が血に塗れた、その原因を作った者を!」
セレジア「私は」
セレジア「私は知ってるの──私達の世界は酷い戦いが続く世界だけれど、私とあなたで──最後まで闘い抜いた私と貴方の力で、いつか大団円を迎える為にこそ、彼はあの世界を創った事を」

モニターごしに振り返るセレジア。縋(すが)る様にその目は遠い場所の松原を見る。
セレジア「そうよね? 松原」

頷く松原。
松原「あったりめえだ」

カロン、眉を寄せると、観念した様に唸る。
カロン「セレジア、お前にも解っていたと思っていたがな」
カロン「俺たちの戦いはもう限界だ。押し寄せるアヴァロン・ブリゲードの手勢、闘えば闘うほど強さを増していく魔導騎士達」

カロンはどこか疲れた様な眼差しでセレジア機を見る。
カロン「俺は、もう疲れたんだ」


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