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8 august

8月29日

8月29日

   

277/松原がその言葉を聞くと、歯ぎしりをして眼を瞑る。
松原「くそッ......そうか」

八頭司がその言葉を聞いて振り返る。
八頭司「どういう事だ?」
松原「あいつもまた、物語から飛び出して──変わっちまったんだ」
松原「こんな所で折れる様な男じゃない。俺はそう思ってた。だけど、俺の作品の中で、あいつが戦いに倦(う)んでいたのは事実だ。それを本当だろうが嘘だろうが、一挙に解決する方法を示されちまったんだ、揺らがない訳がない」

拳を打ち付ける松原。
中乃鐘「なにか、策を」

唸る松原。
松原「......駄目だ。あいつがそう言っちまったんだ、キャラがそう決めたら、俺達は何も出来ない」


278/カロンは操縦席で、セレジアに語りかける。
カロン「俺たちに選択肢はない。お前の行っている事が正しければ......俺たちの世界を救う手立ては、俺たちが血を流し続ける以外に無いという事になる」
カロン「でも、もし......それ以外の選択肢が、まだ微かでもあるのならば──俺は、それに賭ける」

その言葉を聞いて、悲しみに顔を歪めるセレジア。
セレジア「カロン! あなたは──」

アルタイルが揺さぶる様に、カロンへ向けて静かに言葉を発する。
アルタイル「カロン殿。何を選ぶかは君の自由だ。だがしかし──忘れるな。現世と創作世界の壁を融解させたは、確かにこの、アルタイルだという事を。余には、世界を改変する力がある。鍵を手に入れるかどうかは、君次第」

アルタイルの騎兵帽の下に隠れて見えない目は、強い誘惑を持って語りかける。
アルタイル「空手形は切らぬ。君が大望通り、余の名に於いて......世界を変えてご覧に入れるぞ」

そういって薄く笑うアルタイル。

カロン機、剣の切っ先をセレジア機に向ける。
カロン「彼女の行く手を阻むな。それがセレジア、お前であっても、俺は容赦しない!」

セレジアに向けて疾駆するカロンのフォーゲルシュバリエ。
セレジア「カロン!」

しかしカロン機はセレジア機の横をすり抜ける。鹿屋、アラートのなる操縦席で必死にギガスマキナを制御しようと試みている。
鹿屋「動け! くそ! まだ......終わらないぞ!」

カロン機が真っすぐに向かうのは、片腕で起き上がろうとする鹿屋のギガスマキナだ。
カロン「まずは......貴様だ!」


279/あまり表情を見せないメテオラが、それと解る険しい顔でモニターを見つめ続ける。同じく二人の諍いを、中空で笑みを浮かべながら眺めているアルタイル。


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