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9 september

9月3日

9月3日

   

290/アルタイルとの切り結びから態勢を整える為に離れた瞬間、ギガスマキナがリフレクターフィールドを展開するのが傍目に見える。はっとして振り向く弥勒寺。
弥勒寺「セレジア!」

中空で爆発する二機。残骸が遠くの空に、小さく散っていく。ギガスマキナも力を失ったかの様に、失速して墜落していく。

呆然と目で追うひかゆ。
ひかゆ「......そんな」

翔、ブリッツもその爆発を見送る。

アルタイル、サテライトサーベルを収縮させ、くるりと回って態勢を整える。

アルタイルも上空を見上げると、目を細める。
アルタイル「ああ」

嘆息した様に、深く感嘆の息を漏らす。
アルタイル「なんという物語か。義に殉じ、命に代えて使命を果たす。英雄譚の本懐じゃないか」

弥勒寺、憤怒に顔を歪ませる。その物言いに激怒している。
弥勒寺「てめえ──」

アルタイル、しいいいいい、と人差し指を唇に当てて。
アルタイル「雑味を混じらせるな。この美しさを、今わが兄弟達、観客達と共有しているんだ」
アルタイル「余韻だ。......余韻を楽しみたまえ」

静寂と静謐。アルタイルはその光景に耽溺し、まるで黙祷を捧げるかのように身じろぎ一つしない。どこか神妙なその光景に、誰も動く事が出来ない。


291/じゃり、と踏み出す足。目に怒りの色を滾らせたひかゆが、その静寂を破る。
ひかゆ「......どうして」
ひかゆ「あなたも『被造物』なのに......どうして、みんなの死を、まるで見せ物みたいに!」

肩越しにちらりと見遣るアルタイル。
アルタイル「見せ物だからだよ。その為の『承認力』、その為の力。総てはその為に設えられたページェント。勘違いは君の方だ、星河ひかゆ」
ひかゆ「私、あなたのような人は......」
ひかゆ「許せない!!」

ずん、と腰を落とし再び呼吸を整えるひかゆ。本編では見せた事のない、険しい表情を見せる。
ひかゆ「人は地に法(のっと)り、地は天に法り──」

再び足下から闘気が立ち上る。
ひかゆ「天は道に法り!」

ヌンチャクを再び迅雷の早さで、弧を描く様に回転させるひかゆ。風を切る轟音が響く。
ひかゆ「道は! 自然に法る!!」

飛び出すひかゆ、ヌンチャクを振り翳すと、ヌンチャクが一気に延び複雑な形に絡み合い、幾何学のような形からモーニングスター状に変化する。

アルタイルに飛びかかるひかゆ。
ひかゆ「活殺! 擘撃裂山(はくげきれっさん)ッ!!!」

アルタイル、僅かに身体を反らせるとその背中からドラム式マシンガンを取り出す。
ひかゆ「銃なんて!」

アルタイル、そのドラム式マシンガンを逆手に取ると、ヴァイオリンの様に首に挟み込み、サーベルを当てる。ヴァイオリンの様な音が奏でられ、それと同時に円周状に幾何学の模様が波紋の様に広がる。

衝突する瞬間、ひかゆの姿が赤い細切れの光に包まれると、ヌンチャクは消え去り、戦闘衣装が解除され、『ほしぞらミルキー☆ウェイ』本編時の制服姿に戻ってしまう。

驚愕し、目を見張るひかゆ。


CIC、そこにいたメテオラはじめ、全員が驚きの声を上げる。

歯ぎしりをする松原。目を見張る中乃鐘とまりね。唇を噛み締める菊地原。

大西が驚愕する。
大西「うッそだろ!」


勢いが付いたひかゆの腕を、サーベルを持った腕で抱え込むとぐるりと手を回し、反動の付いたひかゆを押さえ込むアルタイル。アルタイルはひかゆに息がかかる位の距離まで顔を近づけ、呟く。
アルタイル「森羅万象、第三楽曲──」「摘要淵源。それは付加された設定を、最初の地点へ引きずり戻す」

ひ、と短い声をあげるひかゆ。


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