劉美凰(りゅうみおう)は耀(よう)国の皇族の外戚である劉(りゅう)一族の娘として不自由ない生活を送っていた。そして彼女が十六の時、耀国皇帝・司馬雪峰(しばせつほう)との結婚が決まる。雪峰は美凰が恋い焦がれてやまない、初恋の人であった。皇帝と皇后が初めての夜を過ごす日、臥室(しんしつ)で待っていた美凰は遅れてやってきた雪峰からある物を渡された。それは・・・残虐非道な稀代の悪女と呼ばれた伯母の生首。そして彼は彼女にこう言い放った。「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」 美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。しかし――!? それから十年の時が経ち、美凰は離宮にて幽閉生活を送っていた・・・十六のころと変わらぬ姿で。そんな中、離宮にある一人の青年が訪れる。そして彼の登場は美凰の生活を一変させる―― 奇しき力を持つ廃妃と若き皇帝が織りなす後宮ファンタジー、開演。
22. 第21話 切望
コメントを書く(-)