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レクリエイターズ ネイキッド

7 july

7月19日

7月19日

   

174/再び現在。スタジアムの喫煙ルーム。
颯太「返信は、......来ませんでした」
駿河「そら、そうやわ」

颯太の方を見向きもせず、相変わらず絵を書き続けている駿河。
松原、口をへの字にして。
松原「そんで?」

俯いて、顔を見せない颯太。
颯太「......だいぶ経ってから、いつの間にかSNSの方へ、彼女からのメッセージが入っていることに......気づいたんです」


174.1/回想。点滅するメッセージのアイコンをクリックする颯太。


(メッセージ書き込み)「(セツナ)「颯太さんへ。」


(メッセージ書き込み)「(セツナ)「一緒に行ったイベント、とても楽しかったです。迷惑かも知れないけど、わたしの生きてきた時間の、一番の思い出でした。ほんとうに、嬉しかった。ありがとう」


(メッセージ書き込み)「(セツナ)新作です。たぶん、これが最後です。この子が愛されてくれるといいな。それでは、さようなら」


とても不吉で、取り替えしのつかない予感を肌で感じ、震える手でリンク先を開く颯太。


174.2/回想。郊外の駅、ホームの少女。

朝の光。人気のない駅構内。急行列車通過を告げるアナウンス。


174.3/回想。颯太の部屋。

そのアドレスの先には、一つの動画。
「『world Étude』シマザキ セツナ」

電車がホームを通過する刹那、少女の身体がふっと下へ消える。


174.4/回想。颯太の部屋。

再生ボタンを押す。荘厳な、そして激しいリフの曲が始まり、軍服コートを着た少女の背中が映る。

彼女はやがてツインテールの髪を振って振り返る。

それまでセツナが描いたことのなかった様な酷薄な眼差しの少女は、真っすぐにモニター越しの颯太の目を見つめている。

その非難しているような瞳には、静かな強い決意と、怒りが渦巻いている。

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