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9 september

9月1日

9月1日

   

285/轟然と突っ込むギガスマキナ。それを正面から受け止める様に同じ様に突っ込もうとするカロン機。片腕のギガスマキナ、粒子加速砲を振り上げるが狙いを外す。
鹿屋「くっ......、近い!」

飛びずさろうとするギガスマキナ。
カロン「逃がさん」

交差する二機のロボット、急反転したカロン機はギガスマキナを追う。

その様子を追いながら、さっきのひかゆの台詞を反芻して逡巡を続けるセレジア。

やがて目を開き。苦しそうに、小さく呟く。
セレジア「......ご免、私......」

空を疾駆するセレジア機。


286/カロン機が鹿屋のギガスマキナに縋り付き、その剣を振るう。片腕のギガスマキナは、カロン機の攻撃を受けるだけで手一杯だ。
鹿屋「ぐうううッ!」

鹿屋のギガスマキナは剣に当たる武器を持っていない。リフレクターフィールドを展開して、それらを避けるだけで何とかしている状態だ。
カロン「もう終わりか! 貴様も『主人公』なんだろう!」
カロン「お前が背負うものを、見せてみろ! お前が引き換えにしてもいいとさえ思っている、その決意を俺に見せろ!!」
鹿屋「あんたこそッ!」

振り下ろされる剣をその掌で掴む。電磁刃がその掌を抉り、火花が激しく散るが鹿屋は意に介さない。
鹿屋「主人公だなんて言うんなら、セレジアの言ったことに、ブルって怯えてんじゃねーよ!!」
カロン「怯えてるだと!?」

鹿屋、苦しげに声を絞り出す。
鹿屋「あんたは認めたくないんだ、あんたの世界が誰かに作られたって事も、あんたしか自分の物語を救える人間がいないって事も、全部! あんたは怖くて見たくないんだ!」
鹿屋「だからアルタイルみたいな嘘っぱちの言葉に騙されるんだ、セレジアの信じたあんたなら、そんな事はなかった筈なのに。あんたはここに来た時、自分から、主人公でいる事を捨てたんだ!」
カロン「下らん!」
鹿屋「セレジアの方がよっぽど、お前なんかより主人公らしいよ! お前こそ、主人公なら──」
鹿屋「背負ってるもの、最後まで背負い切ってみせろォオオ!!」
カロン「知った様な口を叩くな、少年!!」

カロン機の電磁刃が、ギガスマキナの掌を遂に轢断するが、鹿屋のギガスマキナは掌を鉄塊に変えたまま掌底をカロンのフォーゲルシュバリエの顔面へとぶち込む。苦悶の声を上げるカロン。
カロン「ぬううッ!!」

カロンのフォーゲルシュバリエの上半身が宙に浮く。

鹿屋、そのまま体当たりでカロンのフォーゲルシュバリエを潰そうとする。体積の大きいギガスマキナは、対照的にシャープなデザインのフォーゲルシュバリエを潰しにいく事は容易に見える。
鹿屋「あああああああッ!」

カロンのフォーゲルシュバリエはのけぞり体勢から復活し、刀を逆手に構え直す。そのまま振り下ろそうとする刹那、そこに急行するセレジア、叫ぶ。


287/セレジア「ああああああああッ!!!」
カロン、鹿屋、共に目を見張る。
セレジア「波動詠唱、『万能の弾丸(トフェキア・オミニポテンス)』!!」
一瞬反射的に防御の態勢に入ろうとした鹿屋のギガスマキナだが、その魔法弾はカロン機に向かう。

魔法弾を撃ち込みながら、カロン機に吶喊(とっかん)するセレジアのフォーゲルシュバリエ。
カロン「防御! 『星屑の御盾(コズミキ・コニス・デ・アスピス)』!』

魔法弾を詠唱によって弾くカロン機。

鹿屋、喜びに爆ぜる声で叫ぶ。
鹿屋「セレジア!」
カロン「セレジア、お前」

セレジア、首を振る。
セレジア「私に道を選ぶ事を教えてくれたのは、あなたよ、カロン」

その目には涙が浮かんでいる。
セレジア「ひかゆさんの言う通り。メテオラの言う通り。私も、どこかで何かを選ばなきゃいけなかった。だから──私は」
セレジア「──あなたと、闘う事を選んだ」

カロンも眼を瞑り。
カロン「そうか」

ブーストを噴かしてもう一度蒼空へと飛び上がるカロン機。
カロン「しかし、今のお前では俺に勝てない! それは解っているだろう」
カロン「それでも、闘うか」
セレジア「──ええ。私にしか出来ない、私の闘いを」
セレジアも再び、ブーストを噴かして飛び上がる。

鹿屋、崩れ落ちるギガスマキナを制御しながら叫ぶ。
鹿屋「セレジア!」


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